X-ADVENTURE トレックドーム 1 レビュー

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x-adventureトレックドーム1はセンターハブ構造フレーム・異形フロアなどの特長を持つ軽量ダブルウォールテントです。今回はその素材・構造・室内空間など細部までご紹介します

このサイトで真っ先にご紹介したシングルウォール構造のテントx-adventureトレックライトドーム X-1。すでに30泊以上使っていて、問題視するような劣化はないものの、若干くたびれてきているのも確かです。

x-adventureトレックライトドーム X-1 レビューはこちらから

2人用テントならば他にも複数持っていますが、設営場所の自由度が高いソロテントは気楽で便利です。
そこでソロテントをもう1つ購入してトレックライトドーム X-1と交互に使っていこうかと考え、新たにお買得プライスで買えるソロテントの調査をはじめました。

候補の最有力は、x-adventureトレックライトドーム X-1。
つまり同じものをもう一つ購入するわけです。同じものを2つ持っていると片方の幕体にダメージを受けたとしてもフレーム他は予備として利用で可能。また、テント場でザックから出したらフレームと幕体が違う組み合わせだったという事故も防げます。

でも、折角もう一つテントを購入するというのに変化に乏しいのも確かですね。
シングルの一番の弱点が前室が無い構造。靴も含めた全道具を室内に持ち込まねばならないことや降雨時の出入りに気を使います。

ならば新たに購入するのはダブルウォールにして、天候や設営場所に合わせて登板させたら? と候補を絞り込みました。
 

追加ソロテント候補は次の二つです。

(1)オクトス アルパインテント 1人用
冬用の外張りなどもオプションで用意される山岳テント。
短辺91cmと小ぶりなのに1.59kgの重さがネック。

[PR]定番の入門用テントがリニューアルされてベンチレーターなどが強化。30Dナイロンのフライなどややクラシックなスペックで1.62kg(付属品無)


(2)x-adventureトレックドーム 1
x-adventureがリリースするダブルウォール型テント。
センターハブ構造の異形フロアによる室内空間が広そうで重さも約1.50kg。
ヤマでの使用にどれだけ耐えるか?が懸念。ネットに情報はほぼ皆無。
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悩んだ結局、トレックライトドーム X-1での実績&信頼と2万円未満の価格から x-adventureトレックドーム 1 を選びました購入。 

x-adventureトレックドーム 1とは?

 

XEBIOのPB商品では?ということぐらいしかネットでも情報を集められないテント。

しかし、トレックライトドーム X-1でレポートのとおり、このメーカーのテントはなかなかの品質で安心して使うことができます。注文していた商品が我が家に到着したのでレポートしてみます。

トレックドーム1のSPEC

・寸法 200×100/75×100cm / 約φ12×47㎝(収納時)
・重量 約1.50㎏ 定員1~2人
・フライ素材   30Dナイロンリップストップ (耐水圧 2,000㎜)
・インナー    20Dナイロンリップストップ 撥水加工+メッシュ
・フロア素材   40Dナイロンリップストップ (耐水圧 2,000㎜)
・フレーム素材 直径8.7+9㎜ ジュラルミンポールセット
・付属品 ペグ12本/ロープ4本/収納袋
 

フレーム

 

トレックライトドーム X-1にはFather Light NSL Poleが採用されていました。
これはHILLEBERG/MSR/MountainHWなども採用していて、裏づけはないもののA7075規格の超々ジュラルミンとか。

一方、今回購入のトレックドーム1には Pressfit Poleが採用されています

DAC Pressfit Pole

Pressfit Poleを採用しているのはコストダウンのため? かなり柔らかく撓って、トレックライトドーム X-1のNSLと比べて力を入れずに立ち上げることができます。この設営の容易さはセンターハブ構造の効果か? Pressfitの剛性からなのか? もう少し調べてみたいと思います。

フレームは真っ直ぐではなく、緩く曲げ加工が施されているようです。そして、全てのフレームがセンターハブにゴムのショックコードで繋がっています。

オレンジ色を基本にしてグレーのフレームが混ざっているのは向きを表すための工夫のようです。

 

吊下げ型構造

先にインナーテントを広げておいてからフレームを組み立てていく吊下げ型構造。

フレームを組立てたらインナーテントコーナーのグロメットにフレームの終端をセットしていきます。
短辺長が頭部と足部で異なる異形フロアのため、フレームの形も非対称です。

設営の際はグロメットがあるループの色とフレームの色を合わせれば良いように工夫されています

ループとフレームをオレンジ同士(頭部)・グレー同士(脚部)と合わせれば、迷わず簡単に立ち上げられます。
この辺りは中々親切な設計だと感心しています。


 
フレームが自立したらインナー天頂部の樹脂部品をセンターハブに差込みます。
同じ様に樹脂の吊り具をフレームに咬み込ませればインナーテントも立ち上がります。


 
樹脂が寒さ・紫外線で硬化して割れないか?と心配ですが、柔らかく弾力がある素材のため杞憂だったかも。しばらく使って様子を見たいと思います。


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フライシート

 

緑の地色にオレンジのパイピングのフライシートが目を引きます。
mont-bellやアライのユーザにありがちな「自分のテントがどれか分からなくなる」ことはまずないでしょう。

素材について

30D リップストップナイロン 耐水圧2,000mm のスペックを持つフライシート
紫外線への耐久力/保水しにくさなどではナイロンよりもポリエステルのほうが優れているといいます。一方で乾きやすさ/重さではナイロンに分があるとも。

アライテント、モンベル、プロモンテなどの国内大手も今はフライの素材にナイロンを使用しています。自分としてはナイロン製のフライのほうがパリっと張れる気がして好きです。
それに、一流テントメーカーの半額以下のテントに多くを求めすぎてはいけないですよね。


 

固定と調整方法

フライをフレームに固定する方法はベルクロ式です。1辺あたり2か所なので全部で8ヶ所を固定します。

ベルクロベルトはフレーム径ぴったりには締まらず、頼りなさげに緩めに留める仕様のようです。風力がフレームの1点に直接伝わらぬための遊びかもしれません。

他のメーカは「トグル式」「紐結び式」など様々ですがベルクロは扱いが簡単で良いなと思います。


 
フライシート末端にグロメットが設けられています。

僅かにテント端を浮かせて、インナーを貫通したフレーム終端をフライのグロメットに挿して固定完了。樹脂コネクタを使うメーカもありますが、汚れや破損の心配の少ないグロメットのほうが安心感があります。

フライシートの「張り」はこのグロメットが設けられたループをバックルで可変させて調整できます。


 
ガイラインはフライシートに接続します。ストームガードと呼ばれるリフレクティブテープ付のループに固定します。
リフレクティブテープは、夜のテント場で位置を確認したりテントの識別に大変重宝します

防水シール

シーム部の防水シールも丁寧に手抜きなく加工されています。
格安テントはシールが縫い目を外れていたりと、見えない場所が残念なモノもある中で安心感あるこの作り。

ペグ&ガイライン

 

シルバーの四角断面のペグが12本付属。商品説明にはジュラルミンペグとあります。
インナー4ヶ所+ガイライン4ヶ所+フライ4ヶ所というところでしょう。

トレックライトドームX-1ではDAC製V字ペグが付属だったところですが、トレックドーム1には消耗品然としたペグが付属しています。必要本数が増えることもあってコスト増抑止のための仕方ない措置かな? 

ガイラインは黒地のリフレクティブタイプに、使いやすい三角自在付き。
トレックライトドームX-1に付属のものは直径2mm無いぐらいの極細でしたが、こちらは3mm以上ありそう。
夜はライトをガイラインに織りこまれた素材がライトを反射しますが、昼間の視認性は良くないです。3mm径ぐらいあったほうが幾分目立つかも。


 
トレックドーム1付属のペグ(上)をトレックライトドームX-1付属のものと比較。長さはほぼ同等で11gに対して9gと僅かに軽量。


 
このペグは、ラインを引掛けるクビれた部分の強度がやや弱いのがネックです。
石でペグを打つ時に、極力ペグに対して垂直方向に打ち込まないと簡単に頭の部分が折れてしまいます。これはお蔵入りにしてV字ペグと組み合わせて使おうと思います。


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インナーテント

 

入り口

入り口は横になった時の左手側に位置します。

異形フロアなので設営時は予め頭の位置と入り口(前室)の位置をイメージしておくほうが良いでしょう。長方形フロアのように「寝てみたらこちらのほうが楽だから頭の位置を反対に」みたいな対応が難しいです。

ドアはU字を左に倒した形。内側からジッパーでナイロン生地を開くとドア全体がメッシュになる二重構造です。

低価格テントには軽量化やコストのためメッシュを多用し、高地使用に適さないものもあります。このテントのように通気部分の面積調整ができると、季節を問わず使いやすいと言えます。


 

ベンチレーター

インナーテントのベンチレーターは常時開放のものが一つ。入口の反対側天頂部がメッシュで常時開放されています。

前室を開いてインナーのドアを開放またはメッシュにした時に、テントの中の空気を循環させやすい位置。このあたりはmont-bellのクロノスドームに似たコンセプトなのかもしれません。
とはいえ、ベンチレータのすぐ上にフライが被さるため、それほど高い通気性ではないはず。フライを貫通する吹流型ベンチレーターは装備されていません。

室内空間

公式値は長さ200/幅100~75/高さ100cm。短辺長は一方が100cm、もう一方が75cmの異形フロアです。

長さ200cmという数値はやや小さ目かと。同じ200cmの長さを持つトレックライトドームX-1では床に斜めに寝ても爪先でテントの壁を押しています。困るほどではありませんが、せめて210cmは欲しいところだと思います。

センターハブを使って直角に近い角度でフレームを交差させる構造で。捩られながら外に張り出すフレームがフロアの数値以上に広い空間を生み出しています。

短辺長が100cmあるほうから見た様子は、通常のクロスフレームテントに比べてかなりの膨張感。初めて、この方向から見た時の印象は「かなりデカいな…」と。全長が僅かに不足気味である以外には、かなりの空間を保有しています。


 
そしてフライシートには控え目にロゴが裏面プリントされています。


 
短辺長75cmのほうから見ても数値以上の幅に感じます。


 
短辺長100cm側の内部はマット周囲に身の回りのものを整頓しておけるだけのスペースがあります。


 
75cmに狭まる足側にも、中型ザック(TRION LIGHT 55)を寝かせられるだけの空間。


 

室内収納

室内の頂点部分にはランタンなどを吊るすためのフックが取り付けられています。

天井部ループが無いのが大変残念です。ループを活用すれば小物を置くのに便利なハンモックが作れるのですが… 以前使っていたmont-bell ステラリッジテントでハンモックの便利さを知ってしまって、ここは減点ですね。インナーテントに防水性を求めないダブルウォールなので、自分でループを縫い付けてしまおうかとも。


 
大変便利に感じたのが室内側のドア右手にある大きな三角形のポケット

本来はドアを開いた時に、このポケットにドアを突っ込んでおく目的で用意されているようです。開放した時にドアが床に垂れ下がって踏まれることもなく、前室側の地面に落ちて汚れる心配もなくなります。室内に散らばりやすい着替や小物を入れておけて、通気性があるので蒸れる懸念もありません。ハンモックを取付けできない減点もちょっとリカバリー。

もちろんメッシュ製の小物ポケットも右手側に一つ用意されています。


 

 

フロアシーム部の防水

フロアには、一流メーカーに比べるとややチープな仕上りながらシーム処理が施されています。
そして耐水圧 2,000mm 40DナイロンリップストップとトレックライトドームX-1と同等の仕様。おそらくフロア部は同じ素材ではないかと。

トレックライトドーム X-1では、雨天時のバスタブ部の結露が課題でした。ダブルウォールになってどれだけ変化するか気になるところ。

前室

側面に入り口があるため、実用的かつ適度な広さの前室。珈琲を淹れる程度の作業ならば十分な空間。

フライを開閉するためのジッパーは、室内から手を伸ばして、なんとか届く距離にあります。前室は中心からやや離れた場所でも、ブーツやクッカーを置いておけるぐらいの余裕があります。赤いモノは大き目のグラウンドシートで作った前室内フロアで靴を脱ぐ時や道具を置く時に便利。


 
少し心配なのが前室側をはじめとするフライシートにテンションをかけるためのガイライン。テント場では視認性が著しく悪いです。視認性の良いものに取替えました。

計量

 

重量は約1.5kgというカタログ値。付属品をどこまで含んだ数値なのか記載はありません。

そこで実際に計量してみました。結果は以下の通りです。
キッチン用スケールでの測定なので誤差はご容赦。有名メーカーのテント同様に二通りの方法で数値を出してみました。

  • 1.39kg  (フライシート/インナーテント/フレーム)
  • 1.58kg  (フライシート/インナーテント/フレーム/ガイライン4set/ペグ12本/バッグ3種)

一般的なカタログ値で1.39kgという重量は、同じナイロンのフライシートを持つエアライズ1 (1.36kg) ステラリッジ1型 (1.26kg) VL-16 (1.21kg)と比較しても大変健闘してる数値です。

狭くしてもよい足側の幅を異型インナーで75cmとしている効果かもしれません。もっと軽量性をアピールしたほうが良いと思うのですが…

参考までに各パーツの計量結果を記載します。

内容 重量
フライシート 477g
インナーテント 478g
フレーム 437g
バッグ(テント用) 35g
バッグ(フレーム用) 15g
バッグ(ペグ用) 6g
ペグ(1本) 9g
ガイライン&自在(1本) 7g
合計 1,584g
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Field Test

 

早速、トレックドーム1を担いで1泊での山歩きをしてきました。

どんよりとして時折小雨がパラつく中で強風の心配の少ないテント場でデビュー&テスト。霧だった雨が本格的にテントを叩くようになったのは20:30ごろで、朝4:00ごろまで一晩中降り続けました。

もちろんテント内への浸水はまったくありません。フライシート裏は結露で沢山の水滴あり。インナーテントは内側、外側共に乾いた状態

ドアを1/4ほどメッシュにして通気させた状態で眠りましたが、寒さも暑さも特に感じず快適な一晩でした。

一流メーカーのアライ トレックライズやプロモンテ VL12(たぶん) と並んで設営。これらの半額以下のテントですが、注意深く観察しなければそこまでの差には見えないかも? トレックライズとはフライの色が似てますね。

まとめ

 
x-adventureトレックドーム1は、ガジェットとしての面白さでは高価な素材を惜しみなく投入したトレックライトドーム X-1 に一歩譲るものの、スタンダードなダブルウォール構造に、センターハブ式フレームや異形フロアなど快適性を重視した作りこみがされています。

今後、気づいた点などは随時更新していこうと思います。

トレックドーム1の良いところ

・一流メーカーにも負けない軽量性
・センターハブによりフロア数値以上に広大な室内空間
・随所の工夫による使いやすさ
・サイトで自分のテントをすぐ見つけられる

トレックドーム1の残念なところ

・トレックライトドームX-1ほど高価な素材を使用していないこと

x-adventureトレックライトドーム X-1レビューはこちらから

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このサイトでご紹介のダブルウォールテント x-adventure トレックドーム 1。センターハブや異形フロア採用で軽量ながら快適な空間の使い勝手の良いテントです。製造終了のようですがご参考にリンクを残します。

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今回比較検討したのがoxtosアルパインテント。年々リニューアルを重ねて各所に改良が施されています。しかしリニューアルされるたびに高価になっている気が…

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