Wild Country By Terra Nova Zephyros 1 レビュー

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愛用テントに無い広大な前室に惹かれて追加したのが、テラノバ系の広い前室を持つゼフィロス。
今回はじっくりとWild Country By Terra Nova Zephyros 1をご紹介します。

自分の中で定番化しつつあるのがx-adventure トレックライトドーム X-1。シングルウォールゆえに前室がない反面、簡単設営、軽量&コンパクト、夏から冬まで使える汎用性の高さなど余りある利点があります。

でも、たまには広い前室を使ってみたいという誘惑に駆られることもあって、Tera Novaの流れを汲むWild Country by Tera Nova Zephyros 1を手に入れました。

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Zephyros 1とは

 
約545gのレーサーパルス1を筆頭にレーサーフォトン1など超軽量テントを得意とするTerra-Novaが展開するリーズナルな価格帯のブランドがWild Country。そのTerra-Novaの上位モデルと同様にポール1本をトンネル状に立てるスタイルのソロテントがZephyros1です。

Zephyrosは低価格のせいか海外で人気があるらしく、数多くのユーザーレビューをYouTubeで見られます。
mont-bellも何年か前に、よく似たコンセプトのシェルターを商品化したものの、今は廃盤になっているようです。

Zephyros1のSPEC

・Sleeps: 1
・Season Rating Spec: 3 season backpacking
・Free standing?: No (tent requires guy lines to be pitched)
・Minimum Weight: 1.41Kg (3lb 2oz)
・Packed Weight: 1.57Kg (3lb 7oz)
・Pitch Time (estimate): 5 mins
・Number of Porches: 1
・Number of Doors: 1
・Pitch Type: Fly and Inner pitch together
・Pack szie: 52cm x 14cm
・Flysheet: Pu Polyester R/S 4000mm FR
・Floor: Pu Polyester R/S 6000mm
・Poles: 8.5mm Wild Country Superflex Alloy
・Pegs: 10 x Aluminium V-Angle
・Guylines: 4 x black reflective 2.3mm
 

 

Zephyros1の構造

 
ポール1本をトンネル状に立てて、前後からガイラインでテンションをかけて自立させるスタイル。
このスタイルは、ポールが1本で済み、その長さもドーム型のものよりも短くできる利点があり、Laser Photon / Laser CompetitionなどTerra Nova製の上位モデルともよく似たシルエットです。

ポールスリーブがフライシートに用意されていて、立上げるとフライとインナーテントが同時に張れる仕組み。
このために、あらかじめフライ内側のリングにインナーのトグルをセットしておきます。フライを張ってからインナーを吊り下げようとしても上手くいかないでしょう。


サイズ

長さ220/幅146/高さ92cmと、登山に使えるソロテントとしては類を見ない数値。

しかし、テント長辺が両端に向かって幅を絞り込む形状なので、室内空間には数値ほどの広さはありません。
ガイラインまで含めると300cm前後の長さとなり、混み合ったサイトでの設営場所確保に苦労するかもしれません。


フライシート

スペックは耐水圧4000mmのStormTex Polyester。
詳細は不明ながらかなり厚みを感じる素材で、透けるようなことは全くありません。

軽量モデルのZephyros 1 Liteはフライがナイロン製とのことで、両者の違いが一番顕著なのはこの辺かも。
また、このフライはインナーを外して、単体でもフロアレスシェルターとして利用することが可能です。


フレーム

ブルーのアルマイト加工にWild Countryのロゴが入ったSuperflexAlloyという素材で8.5mm径のようです。

一度試し張りをしただけなのに、折り畳んだ状態でも判別できるぐらいの曲がりグセがついてるのが見て取れます。ドーム型のクロスフレームよりも、曲がりの径がキツいのは確かですが、これを見てしまうと耐久性の面で不安です。
DACポールを採用した上位モデルではどうなのか気になるところですね。


補助ポールほか付属品

室内高を確保するためにテント両端に設置する補助ポールが2本付属。
100円ショップで売られている園芸用の添え木を連想させてしまうほどのチープ感を醸し出しています。

www.wild-country.co.ukとプリントされたVペグが設置に必要な数だけ12本付属。
しかし試し張りした公園の芝生でも曲がってしまうほどの柔らかさで、使いものにはならず即交換しました。

他に、ポール応急補修用パーツ、オーナーズマニュアル、フライとボトムの端切れなどが付属します。


ガイラインはリフレクティブタイプで長さ約1.5mのものが4本付属。
太さは3mm以上ありそうですが2.3mmとのこと。黒地で昼間の視認性に難があるため、1.8mmの蛍光色のガイラインに変更しました。自在は蓄光タイプの三ツ穴式が付属。

巨大なサイズのスタッフバッグに余裕を持って入っているので、初めて見た時に、そのサイズ感に誰もが驚くはず。
手元にある20Lのものとほぼ同じ深さで二回りほどスリム、圧縮機構等は一切付いてません。
写真はPAINEの3Lスタッフバッグに収納して比べたところで、3~5Lサイズのバッグが適正な大きさかと思います。


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テント入り口

 
側面に設けられたジッパーを上にスライドさせてフライを開くことができます。
このジッパーは出入口として使う時には下から上に開きますが、上から下にも開きます。前室で調理をする時などに換気口として使うことが出来ます。

このぐらいジッパーが短ければ、スライダーの摩耗の心配は少ないかもしれません。それにしても、スライダーに付けられた引き手も、端切れの布を結んだだけのようで、悲しいぐらいチープです。

テントへの出入りはかなり屈みこまねばならず辛いです。
出入口の頂点が低い場所にあるため、暖簾のようにフライをくぐらねばなりません。

この時に、フライの端につけられたベルクロが服に貼りついて邪魔をします。
ベルクロはフラップを閉じるためのもので、暖簾のように自由に動くフライ側がオスで、フラップ側がメスになっています。登山ウェア、特にアンダーウェアやベースレイヤーの多くはベルクロが貼りつきやすい素材が使われているので、暖簾をくぐる時にベルクロが触れて貼りついてしまうわけです。(赤い円が問題のベルクロ)

これを防ぐには、フライのトグルをインナーに留めて、トップ画像のような状態にしてから出入りしなければなりません。しかし僅かな時間、モノを取り出すだけの時でも、いちいちトグル(青い円)を留めるのは大変に面倒です。
対策として、手近にあったベルクロのメスを貼り付けて、普段はベルクロが利かないようにしています。

室内

 
インナーは、横になった時に爪先が触れてしまうこともなく、長さ方向では十分に空間があります。
インナーのサイズ情報は非公開ですが、フライが220cmだとするとインナーの長さは200cm前後かと想定。幅は、インナーの最も広い場所で64cmで、末端に向けて緩やかに細くなります。前室に荷物の大半を置いておけるので、この幅でも全く不足はありません。

高さは、半円形に張られたポールの円弧の頂点が92cmと低めの数値なので、吊り下げられたインナーの最高部は90cmに満たないでしょう。ポールが交差して天頂空間を確保するドーム型とは構造の違いもあり、高さでの圧迫感は強いです。
着替えに困るほどではありませんが、室内で寛ぐのにはもう少し高さが欲しいところです。

ドア半分とインナー両端(頭・足部)は閉められないメッシュパネルです。
海外テントにはインナーにメッシュパネルを多用したのものが多くありますが、それらよりはメッシュの面積が小さめです。

室内にループやフックはありません。

フロアは耐水圧6,000mmの防水素材、バスタブの高さは1.5cmぐらいと非常に低くなっています。
シーム部分はシームテープで処理してあります。

インナーのドアが非常に大きいのが特徴。
開口部の横幅は150cmぐらいありそうで、フライとドアの両方を開放したままにすると、テントの中からも自然を身近に感じることが出来そうです。

インナーの作り込みは全体的にチープな感じ。
強いテンションがかかる場所にも補強がないので、早くも繊維と縫製が張力に負けてしまっています。DIYで補強を考えてみます。


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前室

 
このテントの最大の特長である広い前室。
ドーム型の場合、大半はポールの外側にペグやラインでテンションをかけて前室を作るのに対して、Zephyrosはフライにポールスリーブがあり、ポールに沿って前室が作られるので、空間効率の良い前室が作られます。
片側だけでもザック周辺に飲料水、サーモス、クッカー、ストーブ、マキネッタ等の調理用品を配置できます。ブーツを置いても余りある広さです。

まとめ

 
Wild Country By Terra Nova Zephyros 1は、とても魅力的な構造を持っています。
しかし、つくり込みの甘さやチープさが見られるのが残念なところ

低価格ではあるものの、価格相応の品質で、耐久性の面でも不安が付きまといます。長く使える道具を求めるのならば、避けるのが賢明かも。
逆に、有名メーカー製の半額前後となる安さから、テント泊をはじめてみたいが実際どのぐらいの頻度で使うか予測出来ないような方には良い選択かもしれません。

Zephyros 1の良いところ

・使い勝手の良い前室
・有名メーカーの半額程度の価格設定
・フライとドアを解放すればテント内から自然が身近に
・Terra-Novaテントと同じスタイルで人とカブることが少ない

Zephyros 1の残念なところ

・全体にチープで値段なりの作り
・設営には広いサイトが必要でペグポイントが多数
・出入りしづらいフライシート
・登山に使うにはやや重めの重量

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現在は、基本構造そのものは記事にあるZephyrosのそのままに、補助ポールの使い方・フライ終端部構造・必要ペグ数など、さらなる改良が施されたモデルがリリースされているようです。以下リンクでは新・旧 両モデルを検索します。

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